「闇」の中から「光」の中へ
「四苦八苦」しくはっく)から
      「涅槃寂静」ねはんじゃくじょう)へ!

☆「四苦八苦」とは?

お釈迦さまが説かれた人生苦のことです。

「四苦」とは、「生老病死」の四つの苦しみです。

「生まれる苦しみ」 「老いていく苦しみ」

「病気になる苦しみ」 「死に直面する苦しみ」です。

「生まれる苦しみ」は、もう皆さんの記憶にはないでしょうが、

確かにあったに違いありません。
母胎から狭い産道を通って生まれる時、

産むお母さんも苦しいけれども、赤ちゃんも苦しいのです。

この世に生まれ、自分の力で初めて呼吸する時、

真っ赤な顔をして苦しそうに泣きます。

しかし、お釈迦さまが「諸行無常」(しょぎょうむじょう)

すなわち「あらゆるものは常でなく、変化してゆく」

と説かれたように、生まれたものは、やがて必ず年老いてゆきます。

「老苦」は、歯が抜けたり、目が悪くなったり、

足腰が弱くなるなどの肉体的な苦しみもありますし、

それに伴う精神的な苦しみもあります。

「病苦」も、病気がもたらす肉体的・精神的な苦しみです。

「死苦」も、死に直面する肉体的・精神的苦悩を指します。

「生老病死」の四苦は、実際に体験した者でないとわかりません。

しかし、誰も避けて通れない苦しみです。

ところで、「八苦」とは、この「四苦」に、

もう四苦を合わせたものです。
その四苦とは、

「愛別離苦」(あいべつりく)「怨憎会苦」(おんぞうえく)

「求不得苦」(ぐふとくく)「五陰盛苦」(ごおんじょうく)

「愛別離苦」(あいべつりく)とは、愛する者と別れる苦しみです。

死に別れや生き別れなければならない苦しみです。

「怨憎会苦」(おんぞうえく)とは、嫌な者や憎い者と

出会わねばならない苦しみです。対人関係の悩みです。

「求不得苦」(ぐふとくく)とは、求めても求めても

思い通りに手に得ることができない苦しみです。

「五陰盛苦」(ごおんじょうく)とは、私たちの存在を

構成する五つの精神的・肉体的な要素に関する苦しみです。 

これらの人生苦のいくつかをすでに体験されたことも

多いでしょう。

その時、皆さんはどのようにして克服されましたか?

きっと自分一人だけで乗り越えた人はいないはずです。

お釈迦さまは、苦悩に満ちた人生は一人きりで

生きることはできない、互いに苦しみや悲しみを

共有して助け合う「いのち」の繋がりを「縁起」と悟り、

悩む苦しむ人々に示されました。

その悟りの境地を「涅槃寂静」(ねはんじゃくじょう)といい、

煩悩の炎を吹き消した静かな安らかな世界

説き示されたのです。

トップページに戻る